【研究成果】スプレーで植物を改変 -簡便な非遺伝子組換え植物改変法の開発-

 材料化学専攻チョンパラカン・タグン 特定助教(研究当時:理化学研究所環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チーム特別研究員)、沼田圭司 教授(同チームリーダー)、小田原真樹 理化学研究所環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チーム研究員、児玉豊 同客員主管研究員(宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター教授)、大谷美沙都 東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授らの共同研究チームは、開発した担体と核酸をスプレーで噴霧することで、植物を簡便に改変する手法の開発に成功しました。

 本研究成果は、非遺伝子組換えにより農作物を一過的に形質改変したものであり、耐病原性の付与や代謝産物の改変に貢献すると期待できます。

 今回、共同研究チームは、「細胞透過性ペプチド(CPP)」を基盤としたナノサイズの担体を用いてスプレーで噴霧することで、核酸を植物へ導入することに成功しました。この手法により、植物細胞内または葉緑体内で、導入した外来DNAから一過的にそのタンパク質を産生させ、また、siRNA[3]の導入により植物細胞内で目的タンパク質の発現を抑制することに成功しました。

 本研究成果は、2022年2月23日に、国際科学誌ACS Nanoへの掲載に先立ち、オンライン版に掲載されました。

詳しい研究内容について

スプレーで植物を改変-簡便な非遺伝子組換え植物改変法の開発-PDF File

研究者情報

チョンパラカン・タグン  京都大学教育研究活動データベース
沼田圭司 京都大学教育研究活動データベース

論文情報

【タイトル】
 Non-transgenic gene modulation via spray delivery of nucleic acid/peptide complexes into plant nuclei and chloroplasts

【著者】
 Chonprakun Thagun, Yoko Horii, Maai Mori, Seiya Fujita, Misato Ohtani, Kousuke Tsuchiya, Yutaka Kodama, Masaki Odahara, Keiji Numata

【掲載誌】ACS Nano, 16(3), 3506-3521.
【DOI】https://doi.org/10.1021/acsnano.1c07723
【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/268965

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