【研究成果】カーボンナノチューブで植物に遺伝子を送り込む-植物ミトコンドリアの効率的な遺伝子改変が可能に-
材料化学専攻の沼田圭司 教授、土屋康佑 同特定准教授、理化学研究所のサイモン・ロウ 特別研究員、宇都宮大学の児玉豊 教授、九州大学の藤ヶ谷剛彦 教授らの共同研究グループは、機能性ペプチドを表面に結合したカーボンナノチューブを担体とすることで、植物細胞内のミトコンドリアへ効率的に遺伝子を輸送する手法の開発に成功しました。
本研究成果は、農作物をはじめとしたさまざまな植物を改変するための遺伝子改変技術に応用することで、環境への耐性を持つ改良植物種の作製や作物生産量の向上に貢献すると期待できます。
今回、共同研究グループは、カーボンナノチューブを担体に用いて、植物細胞のミトコンドリアを標的として遺伝子を輸送する技術を開発し、植物ミトコンドリアの遺伝子組換えに成功しました。ミトコンドリアの遺伝子が改変された植物では、根の成長が促進されることを明らかにしました。
本成果は2022年5月16日(現地時刻)に、科学雑誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
詳しい研究内容について
カーボンナノチューブで植物に遺伝子を送り込む-植物ミトコンドリアの効率的な遺伝子改変が可能に-
研究者情報
沼田圭司 京都大学教育研究活動データベース
土屋康佑 京都大学教育研究活動データベース
論文情報
【タイトル】
Polymer-coated carbon nanotube hybrids with functional peptides for gene delivery into plant mitochondria
【著者】
Simon Sau Yin Law, Geoffrey Liou, Yukiko Nagai, Joan Gimenez Dejoz, Ayaka Tateishi, Kousuke Tsuchiya, Yutaka Kodama, Tsuyohiko Fujigaya, Keiji Numata
【掲載誌】Nature Communications
【DOI】https://doi.org/10.1038/s41467-022-30185-y
【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/270028