世界初、「フォトニック結晶レーザー」で 低軌道-静止軌道衛星間向け光通信方式の実証に成功 -6G時代における宇宙空間の安定で大容量な通信の実現に貢献-
電子工学専攻野田進教授、森田遼平同特定研究員、附属光・電子理工学教育研究センター井上卓也助教とKDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:髙橋 誠)、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元)らの研究グループは、光を緻密制御するフォトニック結晶レーザーを用いた超高感度な自由空間光通信方式の実証に成功しました。フォトニック結晶レーザーの周波数変調と弱い光でも多くのデータ受信を可能とするコヒーレント受信方式を組み合わせることで、送信器から発射された光が受信側で1億分の1に減衰していても、光ファイバ増幅器を用いることなく通信が可能となります。これにより、宇宙空間における低軌道衛星-静止軌道衛星間(約3万6,000km)に相当する距離で通信ができるようになります。
研究詳細
世界初、「フォトニック結晶レーザー」で 低軌道-静止軌道衛星間向け光通信方式の実証に成功 -6G時代における宇宙空間の安定で大容量な通信の実現に貢献-
研究者情報
- 野田 進 京都大学教育研究活動データベース
- 井上 卓也 京都大学教育研究活動データベース
研究者からのコメント
これまで、フォトニック結晶レーザーの高出力かつ高ビーム品質な特長を生かすことで、測距センサやレーザー加工への応用を検討して参りましたが、今回、新たな応用先として、宇宙空間での光通信への適用可能性の実証に成功し、とても嬉しく思います。今後も、デバイス構造のさらなる深化を図ることで、宇宙応用をはじめとする様々な用途に本レーザーを展開していきたいと考えております。(野田、森田、井上)